リーグワン2024-2025 中盤から後半に向けて、どうなる?11のポイント
- いのきち
- 3月10日
- 読了時間: 8分

2度目のバイウイーク。夜に見るラグビーがないと寂しいです。
寂しさを紛らわすために、これまでの前半戦を振り返り、後半戦に向けて、思いをあれこれ回らしてみたいと思います。
まずはこちらの資料を。

今期からリニューアルしてつけている、各試合ごとの各チームの評価を、1−5節と、6−19節に分けてまとめてみました。
評価はあくまで僕の主観と、スタッツを合わせてのものです。1試合だけならばあまり意味がないと思いますが、統計的に見るとそれなりに意味があるかな、と。
まずはチームごとに気になるところを。
1)3強が明確に
序盤は埼玉とクボタが安定した戦いぶりで強さを見せていましたが、中盤は東芝が序盤の不安定な戦いぶりから、埼玉との激戦以降、確実にチーム力を取り戻してきている印象。
絶対的な強さの埼玉、強力なFWを武器に安定的な戦いを繰り広げているクボタ、そして、見るものをワクワクさせるアタッキングなラグビーを見せてくれる東芝。この3チームが勝ち点でも抜け出してきていて、3強、と言っていいのでは。
2)神戸、サントリーが地力を発揮しつつある
出だしで躓いたサントリー。力を見せながらも惜敗が続いた神戸。この2チームのうち、まずは神戸が、その力を徐々に「勝ち星」に繋げてきています。
埼玉との試合の残り20分では決壊してしまいましたが、今年はディフェンスがしっかりしており、脆さを見せる時間帯が少なくなっています。アタックは元々強烈。埼玉といえども、神戸のアタックが炸裂すれば止めきれなかったという印象すらあります。
ただ、勝ちきれない、、どこに問題があるのか、、と見れば、1つは規律でしょうね、、まず改善すべきは。評価3.2は、上位3チームと大きな開きがあります。
サントリーはとにかく怪我人が多い中、和製バックスが頑張っています。中野が復調、仁熊が奮闘、そして河瀬がランナーとしての素質を開花させているところを、高本がきちんと使い倒している印象。
ただ、こちらも勝ちきれないですね。勝ちきれないというか、取りきれないというか。FWでトライを取り切るランナーが怪我でいなかったり、BKでは一人で局面打開してしまうような役者が不足していたり。やっぱり、松島ですかね。チームを変えそうなのは。
3)浦安が確実に力を増している
昇格後は苦労をしてきた浦安ですが、徐々に地力を見せ始めています。
負けたとはいえ、サントリー戦も、トヨタ戦も、内容的には勝っていてもおかしくない試合でした。
1つ勝ったことで、自信を持ち、元々多彩なメンバーが揃っているわけで、底力を見せています。特に、FWはヴィーセが大黒柱として牽引し、ケレビ&ゲイツのセンターコンビが絶好調で、ここにボールが供給されると、それだけで脅威、という状況です。後半か竹内、ツイ、ヴィンピーあたりの役者が出てくるところも、後半に強さをもたらしています。
下位チーム相手ならば、連勝する可能性も多いあるのでは。
4)どうしたトヨタ。。。
正直、アタックもディフェンスも、チームとして機能していないように見えます。FWの圧力も少し沈滞気味。どうしたらいいんですかね。。そうこうしているうちに、BKからは松田も、ファルコンもいなくなり、姫野はいつ戻るのやら、、で厳しい陣容になっています。
僕は、こういう時は、原点に戻って、チーム全体が激しいタックルをする、まずはそこではないかななどと思いますが。。このシーズンは、大きな浮上は見込みにくそう。
5)埼玉に死角はあるのか?
正直、死角はないかな、、というのが印象ですが、今年はそこそこ得点を与えている印象で、ディフェンスが「かたいな」と舌を巻くような試合は少ないです。
22mの中からのガチンコのFWでの勝負でもトライを与えていることが多く見えます。
そうなると、点の取り合い、、ですかね。打ち合いになれば、紛れがあるのか。。
6)アタックの東芝
東芝は、僕の評価では、ハンドリング、アンストラクチャー、アタック全般、ここは連携しているところ思いますが、ここが全て1位なのが東芝。
東芝のアタックは、見ていてワクワクすることが多いです。自陣のどこからでも攻めるし、カウンターアタックも強いし、その上、FWのアタックも強烈。ゴール前でも多彩なアタックでいとも簡単にゴールラインを超えてきます。モウンガも存在も大きいですが、チーム全体が、アタックにおける決め事のレベルを高めているように見えます。
一方で、東芝は、キックは戦略から放棄しているかの如く、全く使わない。。自陣から、ここは逃げるしかない、というときくらいです。時代に逆行しているような、高校生のような戦い方で上位をゆく。なんとも不思議なチームです。。でも、魅力的です。
次は、リーグとしての戦いぶりから、日本代表への課題などを探ってみたいと思います。
7)SO争いは高本がリードか?
昨年浮き彫りになった日本代表のSO問題。大いに注目しながら見ていますが、正直、モウンガ、フォーリー、ガットランドがSOでは圧倒的にレベルが高いです。
そこにくらいつける日本人SOがいない。。
埼玉の山沢は確実に力を増していますが、まだミスも多い。すぐに代表とはいかないでしょう。チームが逆境の時にどのくらいやれるのかはまだまだ未知数。
サントリーの高本はキックにアタックに素晴らしいです。ただ、少し戦が細いのと、プレースキックが勝負弱い。結果として、チームを勝たせられていないのは、SOとしては最も大きなところ。
静岡の家村はディフェンスは素晴らしいし、アタックもいいのですが、なんだかまだ本調子ではなさそう。現状はレギュラーSOをサム・グリーンに取られてしまっている感じ。
中楠、、んー、李、チームでレギュラー取れなければ、、
正直、今の状況なら、田村が一番ではないでしょうか。結局。ディフェンスはないものとして、彼を代表に戻して、後半20分ぐらい使ってもいいのではないでしょうか。
8)和製フルバックも全然いない
FBも和製選手(カテゴリーA)が寂しい。
圧倒的に力を誇示しているのは、間違いなく東芝の松永。彼は、今シーズン明らかに力を増しています。ランも、キックも、そしてキックディフェンスもどんどん上達している。SOとしても試合も作れる。彼が候補になるのは間違い無いでしょう。
でも、決め手には欠けるんですよね。。
しかし、他に、これといった選手がいない。。
埼玉の野口が相変わらず堅実さでは目立つのですが、、代表には縁遠いですよね。。華がないというか。エディさんのタイプではなさそう。
サントリーの河瀬はランナーとしての破格の能力は見せつけてくれています。今はまだそこまで。小倉は頑張っていますが、もう代表、、というのもないのか。
山中はもう無理です。。静岡のサム・グリーンはカテゴリーAでしたっけ?彼はありえるかも。
リコーのルーカスは戻ってこないし、なんだか寂しい限りです。
サイズがあって、ランが魅力的で、キックが飛ぶ、そんなFBいないですかね。日本人で。カテゴリーAで。
やっぱり、、、松島ですかね。。
FWは、これだけのメンバーで揉まれています。たくさん代表候補いるでしょう。ハーフやウイングも十分。センターは、ライリーという核があるので、まだ見える。SOとFBですよ。日本代表に足りない、決定的なもの。
ブレイクスルーする選手が出てきほしい!
9)キッキングゲームも課題だらけ
代表の戦いぶりで、いちばんの課題はキッキングゲームに対しての対応力でしょう。
しかし、キッキングゲームが上手に見えるのは、埼玉とサントリーだけではないでしょうか。よりアタッキングなラグビーを志向しているチームが多いということに見えます。自陣22m付近からのファーストチョイスが、キックではなくて、空いているスペースへボールを運んでいくこと、というチームが多いです。
それはそれで悪くないと思うのですが、日本代表、、という点で見ると、9番、10番からのキックに対する攻防が大事ということになると、あまりリーグワンの中の戦いでは、そのあたりの進歩が図れるような状況ではないように見えます。。
まあ、蹴り合ってガチガチの試合よりは面白いですが。。。
最後は、終盤戦に向けての展望を予想してみます。
10)4−6位はどうなる??
静岡、神戸、サントリ、横浜、この4チームから1つが落ちることになるのでしょう。
そうなると、同じカンファレンスで星を潰しあう、静岡、横浜、神戸が少し不利なのかな、、と。
このうちから落ちるとなると、今年は少し横浜の戦いが苦しいかな、、と見ています。
ということで、4位神戸 5位 静岡 6位 サントリー と予想します!
11)入れ替え戦に行くのは?
浦安が勝ち点的には苦しいですが、ここのところの試合ぶりは、初期段階の「D1の強度に苦しんでいる」チームとは別物です。ただ、10位とは勝ち点が9の差がありますので、3つくらい星の差をつけないといけないので、流石にそこまではいかないだろうと思います。ということで、浦安が入れ替え戦に行くことにはなるのかなと。
8位のホンダから11位の相模原までが勝ち点4差。
このうち、相模原だけがカンファレンスAで、東芝、横浜、神戸、静岡と同組。今のチーム状態などを見ても、これは少しハンデに見えて、相模原が入れ替え戦に回る可能性が高いのかな、、と。
ということで、入れ替え戦2チームは、浦安と相模原を予想します。が、この2チームをD2のチームが勝ち切るのは、これは相当大変だろうと思います。。
試合のない時に、勝手に考えるのは、ファンの特権ですね!今週は久々のフライデーナイトゲームからのスタート。あと4回練ればいいのですね。。。
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