リーグワン2024-2025 :終盤戦に向けて。振り返りと順位予想
- いのきち
- 4月21日
- 読了時間: 8分
バイウイークが開けて、今週からいよいよ残り3節。最終盤に向けて、ここまでの様子を独自に振り返ってみたいと思います。
まずは、6−10節と、11−15節の各チームの評価を。

1)まずはリーグ全体像を:上位と下位の差は確実に縮まっている
まず特徴的なのは、いわゆる3強、埼玉、東芝、クボタがいずれも評価を落としていること。東芝は最後の静岡戦でガクンと落ちたところですが、埼玉は特にセットプレーが低調、クボタはこの中では安定した戦いぶりが続いている印象です。
それに対して、この期間で、一気にチーム力を上げて来たのは静岡とリコーでしょう。
いずれのチームも合計評価が2.6ポイントと大きく上昇しております。
静岡はセットプレーの強さを維持したまま、特にディフェンス力の強化が目立ちます。クボタに完敗してから、チームが変わったように感じます。もはや、3強から4強か、という感じでしょう。
リコーが一気にプレーオフを狙える位置、チーム力になって来ています。明らかにセットプレーが改善され、アタックも、取り切れるケースが増えて来ており、接点の強さは元々強烈で、横浜、サントリーと比べるとチーム力は上では。心配なのはTJ使いすぎ、、ですかね。
あとは、相模原が一気に降格圏から脱出。なんと言っても、セットプレーの評価がまるで違います。ここは、ムチュヌ高価ですね。。スクラムが安定すると、このチームは強いです。
全体的に見ると、上位陣は疲れも含めて、少し勢いに翳りがある一方(これは、プレーオフ進出が決まっていることも影響していると思う)、下位チームは明らかにそこ力を切り上げています。
6−10節では全チーム平均の評価が36.8で、それに対して11−15節は37.3。それなのに、上位勢は静岡を除けば評価を落としているということは、下位チームが評価を上げているということになります。
例えば、35.9という評価は、6−10節では7位だったのに、11−15節では11位でも35.9です。最下位も32.6だったのが34.6。明らかに、上位チームと下位チームの力の差は狭まっています。
そのため、残り3節でも、順位通りの決着にならない試合が増えるのではないかと思っております。特に、プレーオフを決めたチームたちと、6位を争う、あるいは11位を争うチームあたりの試合はモチベーションが違うので、チーム力の差が縮まっている今、何かが起こる試合も多そうな。。
ぱっと見でも、下位チームの青の評価、3.4以下の項目数が、明らかに減っております。
ということで、レギュラーシーズンは残り3節。各地で激しい試合が行われそうです!
2)上位4チーム
クボタが目下の充実ぶりでは一番安定しています。強いFWを軸に、相手の攻撃をしっかり受け止めるディフェンスを「武器」にして、そこからの切り返しも強烈。ボールを持てば、確実にゲインできるFW陣がしっかりスコアまでいく。
隙のない試合運びではあるのですが、ただ、これで、埼玉、東芝に勝ち切れるのか。埼玉とはこのあと戦いますが、少し手の内を隠した試合になるのでは。東芝には勝ちきれませんでした。
今後の注目は、フォーリーと押川でしょう。10番と15番。この二人がしっかりチームを前に出せるか。今は押川もかなり安定していますが、ここからプレッシャーのかかる試合になっていく中で、急造の15番がどう出るか。この二人のプレーに注目しています。
最終順位予想:1位(レギュラーシーズン)
静岡は、埼玉、東芝と撃破。埼玉との試合では鉄壁のディフェンスを見せ、東芝との試合では、東芝のオフロードを封じ、返す刃で東芝を粉砕するアタック力を見せています。元々セットプレーは強烈。
選手層に不安はありますが、怪我人さえ多くでなければ、準決勝までいき、さらに上位を目指せるのでは。
注目はサム・グリーンと家村の10−15番ライン。特に、静岡が本当に上に上がって勝ち切るには、僕は家村がSOとして復活しないとダメじゃないかな、、と思っているのですが。
最終順位予想:4位(レギュラーシーズン)
埼玉は怪我人の影響もあり、明らかにチーム力が一段落ちてしまっています。特にセットプレーの精度がここ最近は目立って落ちており、そこが得点力に影を落としている印象です。
ただ、その結果、逆に、いろんなフレッシュメンバーがどんどん出て来ています。佐藤、フィナウのフロントローは、もはやレギュラー?くらいですし、齋藤の山沢の補完になりうることが見えています。しっかりとライリーが戻ってくれば、実はプレーオフに向けて、周到な準備をしていることになるのか。
最終順位予想:3位(レギュラーシーズン)
東芝は、彼らの選択しているプレースタイル上しょうがないのでしょうが、荒っぽ試合展開が多くて、オフロードと短いパスの攻撃を寸断されてしまうと、キックを蹴らないものだから、うつ手ががなくなってしまいます。
また、リスクのあるパスの連続は、ミスからの失点も必然的に多くなり、リコー戦、トヨタ戦などは、負けも同然、という内容でした。その「悪い方」が力が拮抗したチームとの試合に出てしまうと、静岡との試合になってしまうと。
また、メンバーがほぼ固定で使い詰めなのも気になります。
ただ、埼玉、クボタにしっかり勝ち切っているように、相手がビッグクラブにあると、なんだかチームが変わるようなところがあって、なんとも掴みにくいです。
残り3戦、浦安、相模原にはかなり苦戦をすると見ています。その中で、プレーオフに向けてどういう舵取りをしていくのか、注目しています。
ここは、優勝する可能性は大いにあるし、一方で、プレーオフ1回戦であえなく、悪い日が出てしまい、敗退、ということもありそう。
最終順位予想:2位(レギュラーシーズン)
3)プレーオフを争うチームたち
上位4チームの次に位置しているのが神戸。ここだけ、前と後ろで10ポイントぐらい開いており、神戸もプレーオフは堅いか。
ただ、セットプレーは堅実も、レタリックとリトルのいなかった試合は酷かった。。
この二人がしっかりそろえばある程度の強さを発揮しますが、東芝同様、オフロードで相手を崩すところに特徴がありますが、少しそこは無理な攻撃につながっているところがあり、大事な試合でどう戦っていくのか。
ガットランドにかかって来そうなチームですね。。。
最終順位予想:5位
リコーがチーム力を確実に上げています。ペレナラ一人で奮闘している感があったところから、セットプレーでは3番のライアンがフィットして来ており、痛いプレーもガンガンやってくれていて、核になっています。3列はそもそも強烈。ストーバーグ、ギル、アマトに松橋なども。BKも、メイン平が戻り調子上げ、さらにここからルーカスも戻って来ており、確実に調子を上げるでしょう。
サントリーとの対戦を残しており、ここに勝ち切ると、(今年は前回の対戦で勝っている)一気に6位の最有力候補に。
最終順位予想:7位
横浜は梶村キャプテンに、デ・クラークという柱が不在で、苦しい台所事情。アタックが明らかに苦しくて、クリエルのいない時は、どうしようもなかった、、という印象。田村がなんとかチームを前にだし、足技手技で頑張っていますが、いかんせんそれだけでは厳しい。
セットプレーや接点の優位さは相対的になくなって来ており、「決め手」に欠く展開。
新しいメンバー(ゆらぎとか、アーリーエントリーで土永かもいますよね。。)の台頭も特になく、少し全体的にジリ貧状態。
6位に向けては、東芝、静岡、神戸と残しており、一番分が悪いかな、、と。
最終順位予想:8位
サントリーは、メンバー的には戻って来ていて、アタックもキック中心からボールを持っての展開が多くなって、魅力が出て来ているのですが、前節のクボタ戦は、雨とはいえ、何もできず。。力の差を痛感する内容に。特に、クボタとは、第4節では引き分けているわけで、このシーズンを通して、チーム力の差が開いてしまった印象です。
本来は、勝者のDNAを持ち、接戦や終盤に強いチームですが、今年はそういう面影もあまりありません。リコー戦に勝って、なんとかプレーオフを射止めれば、一発勝負になると、少し違った様子になるかな、とも。(経験豊富なメンバーが多いので、、)リコー戦が剣ヶ峰です。
最終順位予想:6位
相模原は、ムチュヌの次第。彼が出た試合は、スクラムがバッチリ安定して、しっかりバックスにいいボールが強キュされますし、なんといっても、いい試合をしても、スクラムでモーメントを失ってしまっていたチームが、そこに自信を持つと、こんなにも違うのか、、というところを改めて感じます。
相手が、神戸ー東芝と続きますので、正直、サントリーとの勝ち点5差は厳しいですが。。それでも、今のチーム力ならば、神戸、東芝に勝ち切っても不思議ではないと見ています。
最終順位予想:9位
4)入れ替え戦に向けての3チーム
勝ち点的には浦安が入れ替え戦に回るのは濃厚でしょう。
ただ、現状のチーム力は、ヴィーセが抜けたとはいえ、ヒューズを緊急補強。バックラインの、ケレビーゲイツーフォラウが強烈で、アーリーエントリーの松本もいい。
Div2から上がってくるチームにとっては、どこであろうとも厳しい戦いになるのは間違いないでしょう。
浦安はある意味、既に入れ替え戦を主たる目標に向けているでしょう。しっかりそこに向けて準備ができるというのも、強みになるかも。
最終順位予想:12位
トヨタとホンダが残りの1枠を争っています。
ホンダが1−5節が35.1だった評価が、6−10節は34.7、11−15節が34.6と伸び悩みというか、評価を落としています。なんといっても、低い得点力ならば、厳しいディフェンスで凌いできたところが、ここのところはずるずるといってしまう試合が多いです。
特に、マテーラが不在の最近はその様子が際立っています。
ファン感謝祭の様子など見ていると、マテーラも復活してくるのでしょうか。このチームの不沈は、ここにかかっていると思います。復活がシーズン中にないとなると、入れ替え戦が濃厚か。
最終順位予想:11位
トヨタは姫野が復活。前節のリコー戦は、点差はひどいですが、内容的にはそれまでとは違った、ディフェンスのしつこさ見えました。逆に小村の出来が悪くて、雨の試合をうまく戦えませんでしたが、それまでとは違った雰囲気を感じました。
相手が、サントリーとクボタと、そしてホンダとの決戦。厳しいところですが、ホンダにさえ勝てば10位は確保できそうで、青木や奥井、小村などの新戦力も台頭してきたいま、姫野の復活と共にチームも再生するか。
最終順位予想:10位
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