top of page



40歳のラブレター 手紙(最後)
この長い手紙もそろそろ終わりです。ここまであなたが読んでくれているのかわかりません。そもそも、これはあなたに書いているというよりも、僕自身に書いているものです。そんな文章を最後まで読んでくれていることを期待すること自体がちょっとおこがましいようにも思っています。

いのきち
1月21日読了時間: 3分


40歳のラブレター (7)卒業してから
。大学を出てそれぞれが十数年、お互い特に交わることもなく別な世界を生き、それぞれの道を歩きながら来て、ふとしたことで会ってみると、懐かしい気分とかではなくて、一歩前に進んで来たような気持ちになっていた。

いのきち
1月21日読了時間: 4分


40歳のラブレター 手紙(12)
街道沿いのアパートの一階の部屋は雨戸で覆われていて、昼でも薄暗く、本当は天気のいい春の午後に、一人で、湿った、他の男の布団の中で、猫と一緒に横になり、ウイスキーをストレートで飲みながら、僕はそう思いました。
それでしょうがないし、それでいいのだと。

いのきち
1月19日読了時間: 7分


40歳のラブレター (6)江ノ島
この年の秋の10月に、僕は一人で江ノ島に出かけた。朝、太陽が昇る随分前に家を出て、府中街道を南下し川崎市に入り、第三京浜を横浜へ向かい、環状2号線に出て大船から鎌倉へ入り、鶴岡八幡宮の脇を通り国道134号に出る。

いのきち
1月14日読了時間: 5分


40歳のラブレター 手紙(10)
僕はあなたに電話して、話があるので今から行っていいかと聞き、いいよと言われたので、小一時間くらいであなたの家に車で迎えに行き、あなたを乗せて車で10分くらいのところにある湖に行きました・・・

いのきち
1月9日読了時間: 6分


40歳のラブレター (5)深夜の駐車場にて
僕は冷蔵庫から缶ビールを1本取り出し、宿舎の駐車場に停めてある白いクレスタの運転席に座る。
菅平の深夜2時過ぎは、9月の初旬でもしっかりと冷え込んでいて、さっきまで遠乗りをして帰ってきたばかりの車内は、ひんやりとした空気と人の体温の生暖かい空気とが混ざり合っている。

いのきち
1月8日読了時間: 5分
bottom of page