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(10)笑えよ。笑おうよ
あなたは、最後まで、私にとっては必要な人だけど、私は、最後まで、あなたにとって必要な人ではなかった。それは、とてもフェアではないと思う

いのきち
3月19日読了時間: 4分
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(11)怒り
市谷柳町の物件の引き渡しの日。不動産屋との待ち合わせが14時。12時ごろにマンションに行き、何もなくなった部屋に立つ。タバコに火をつけようと思うけれど、少し躊躇して、ベランダに出る。

いのきち
3月19日読了時間: 8分
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(9)津波後の石巻へ
震災後の混乱期を、一人きりではなく二人で過ごすことができたのは、お互いにとってよかったように感じる。 いずれも立ち上げ期の不安定な事業を抱えている中、その後の1か月程度で起こった様々な出来事が、我々のメンタルに与える影響に対して、一人で乗り切るのはきっと大変だっただろうと...

いのきち
3月10日読了時間: 6分
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(8)下田の弁天島から
開業する前の4月の後半、GWの前に、下田に4日間連泊をした。
吉田松陰に傾倒していた時期で、黒船が来た時、彼が下田の弁天島から小舟を漕ぎ出してポーハタン号に向かったことがとても気になっていて、自分自身をそれにラップさせてみたかった。

いのきち
3月5日読了時間: 7分
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(7)彼女の回復と僕の起業
9月になって彼女のお店で問題が発生した。現場の店長として頑張ってくれていた彼女の友人が、実は会社のお金を不正に使い込んでおり、その上、もうこんな仕事はやってられない、すぐにでも辞めたいと言い出してきた。

いのきち
3月3日読了時間: 7分
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(6)彼女の既視感
夏の夕方の喧騒や匂いとは隔離されたようなその一画を、彼女は立ち止まって凝視する。文字通り目を一点に固定させ、瞬きもせずに建物を含むその空間をぎゅっと見つめる。
「誰かがいる」

いのきち
2月24日読了時間: 5分
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(5)下心と無償の愛
同時に、僕の中にはもう1つ別の気持ちがあることもはっきりと感じる。
異性として、恋愛の対象としての女性ということだけではない感情が。彼女という稀有な才能を、しっかりと支えることができるのは、もしかしたら僕しかないのかもしれないという、ある種の使命感にも似たような気持ちが。

いのきち
2月21日読了時間: 7分
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(4)ダリアとコスモス
9月の連休の真ん中に、山の手の西北にある病院へ行く。
最寄りの地下鉄の近くで小さな花束を買う。何を買っていいかわからないので、店員さんのおすすめの、コスモスとダリアをまとめてもらう。

いのきち
2月19日読了時間: 4分
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(3)不祥事と石神井公園
夏の中頃になっても、僕は彼女に対して何かを決断するようなことはできなかった。
その代わりに、仕事で大きな事件を起こしてしまった。

いのきち
2月18日読了時間: 4分
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(2)彼女がうつ病に
一人暮らしをスタートして半年が過ぎ、冷たい仙台の冬にようやく春の訪れが感じられるようになってきたころ、僕は彼女がうつ病で入院をしたという話を、同期の友人から聞いた。 ”松本、入院したらしいよ。うつだって、うつ。もっともうつに遠そうなやつなのにな”...

いのきち
2月13日読了時間: 5分
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(1)2回目の別れ
仙台駅から歩いて7分程度のところにあるホテルで、彼女からのメールを受け取る。仕事を終え、国分町で軽く餃子を食べてホテルに戻り、シャワーから出たところ。23時を少し回ったところ。 ”別れよう。もうこの家には帰ってこないで”...

いのきち
2月10日読了時間: 7分
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40歳のラブレター 手紙(最後)
この長い手紙もそろそろ終わりです。ここまであなたが読んでくれているのかわかりません。そもそも、これはあなたに書いているというよりも、僕自身に書いているものです。そんな文章を最後まで読んでくれていることを期待すること自体がちょっとおこがましいようにも思っています。

いのきち
1月21日読了時間: 3分
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40歳のラブレター (7)卒業してから
。大学を出てそれぞれが十数年、お互い特に交わることもなく別な世界を生き、それぞれの道を歩きながら来て、ふとしたことで会ってみると、懐かしい気分とかではなくて、一歩前に進んで来たような気持ちになっていた。

いのきち
1月21日読了時間: 4分
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40歳のラブレター 手紙(12)
街道沿いのアパートの一階の部屋は雨戸で覆われていて、昼でも薄暗く、本当は天気のいい春の午後に、一人で、湿った、他の男の布団の中で、猫と一緒に横になり、ウイスキーをストレートで飲みながら、僕はそう思いました。
それでしょうがないし、それでいいのだと。

いのきち
1月19日読了時間: 7分
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40歳のラブレター (6)江ノ島
この年の秋の10月に、僕は一人で江ノ島に出かけた。朝、太陽が昇る随分前に家を出て、府中街道を南下し川崎市に入り、第三京浜を横浜へ向かい、環状2号線に出て大船から鎌倉へ入り、鶴岡八幡宮の脇を通り国道134号に出る。

いのきち
1月14日読了時間: 5分
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40歳のラブレター 手紙(10)
僕はあなたに電話して、話があるので今から行っていいかと聞き、いいよと言われたので、小一時間くらいであなたの家に車で迎えに行き、あなたを乗せて車で10分くらいのところにある湖に行きました・・・

いのきち
1月9日読了時間: 6分
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40歳のラブレター (5)深夜の駐車場にて
僕は冷蔵庫から缶ビールを1本取り出し、宿舎の駐車場に停めてある白いクレスタの運転席に座る。
菅平の深夜2時過ぎは、9月の初旬でもしっかりと冷え込んでいて、さっきまで遠乗りをして帰ってきたばかりの車内は、ひんやりとした空気と人の体温の生暖かい空気とが混ざり合っている。

いのきち
1月8日読了時間: 5分
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40歳のラブレター(4)菅平
停滞していた僕の心の前線を大きく押し出すこと契機になったのは、大学4年の夏、菅平での合宿での出来事だった。明確に、前に進まなければ、と思ったのは。

いのきち
1月5日読了時間: 6分
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40歳のラブレター 手紙(7)
春になり、あちこち出かけるようになりました。この季節に出かけると、あなたと言ったところを色々と思い出します。 一緒に出かけたところでは、僕の高校の同期で、同じ町に住んでいたDとも一緒によく行った、あなたの家の近場の「まぼろし軒」をよく覚えています。奇跡的に20年経った...

いのきち
2024年12月30日読了時間: 2分
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40歳のラブレター(3)消極的な選択
車で送迎をするという時間を除けば、僕と彼女が二人で話をしたり、一緒にいるような場面はそれほど多くはなかった・・・

いのきち
2024年12月28日読了時間: 2分
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